2011年11月7日月曜日

T.C.のエンジン冷却水

[昨日1枚目] の写真で、コンパニオンウェイに伸びている黒いホースは何だろうと思った人が多かったと思う。梯子の後ろを走らせてバルクヘッドと手摺りの間に仮留めしてあるホース。

使わない時はこのようにコイルして、コンパニオンウェイ下、コックピット排水口横に仕舞ってある。




コンパニオンウェイ下のスペース全体写真。

白いエルボーの付いたスルーハル二つはコックピットから艇外への排水口。


画面左上のスルーハルはエンジン冷却水の取水口。この艇は海水域または汽水域でエンジンを使うことが多いのででここから入った冷却水には殆どいつも塩分が含まれている。その結果エンジンを止めた後冷却回路に塩がビルドアップすることが考えられる。

そこで登場するのが件の黒いホース。係留地に着いてからエンジン停止前の5分間、アイドル状態でエンジンを冷却する際、水道水などの清水をバケツにとって冷却水として使用するためのホースなのだ。

別アングル。左上はスルーハルの冷却水取水口。そこからホースがビルジに降りてストレイナー(ろ過器)を通って上方にあるエンジンへ上って行く。

この写真では見えないが、ストレイナーの下のホースにY字型バルブが付けてあり、スルーハルからの海水・汽水、バケツからの清水、どちらを使用するか切り替えができるようになっているのだ。



余談だが、この艇では冷却水ストレイナーの位置と種類がファクトリー・スタンダードとは違う。ファクトリー・スタンダードでは配管の仕方は前期と後期( [例A 1984年製][例B 1990年製] )で少し異なるものの、ストレイナーの位置はいずれもコックピットからの排水口二つの間である。T.C.ではYバルブをどうしてもストレイナーの前に持って来たかったらしい。

無論、ファクトリー・スタンダードのストレイナーの後(ストレイナーとエンジンの間)にYバルブを設置し、冷却水回路の清水洗浄ができるようにしてある艇もある(例:#261 [Dream Catcher] )。清水は大抵水道水を利用するのでストレイナーを通す必要は無く、エンジン内の塩のビルドアップを防ぐにはそれで充分だ。

T.C.ではストレイナーも含めて清水洗浄したかったらしいがそこまで神経質になる必要はない。実際的には無用の配慮だ。ストレイナーは定期的に容器のトップを外してストレイナー本体を取り出し、ゴミその他を除去しなければならない。清水洗浄はその時すれば良い。

(写真はいずれもPSC製434艇中336番 Tuesday's Child です。)
フリッカの歴史

2011年11月6日日曜日

T.C.のバルクヘッド

T.C.(一昨日見たテューズデイズ・チャイルド)のバルクヘッド。

1987年型のこの艇では電気配電盤がまだキャビン側壁にあるのでポート側バルクヘッドのスペースも色々な遣い方ができる。

黒い裏面カバーの被った二つはデプス・ファインダー(水深計)とノット(スピード)メーター。表面の見えているのはクロノメーター(時計)、およびバロメーター(気圧計)兼サーモメーター(温度計)。



バルクヘッドのコックピット側。水深、スピードの各メーター。







左下隅に見えるのはフリッカの [ハーフ・モデル]

実物の寸法1フット(12インチ)を1/4インチに縮小した 『1'=1/4"』 と表示されるサイズのモデル(つまり実物の1/48)。









(写真はいずれもPSC製434艇中336番 Tuesday's Child です。)
フリッカのスペック

2011年11月5日土曜日

アヴァロ、サンディエゴ出航、ヨーロッパへ

メキシコ、南太平洋、インド洋、大西洋経由でフランスまで。行く先々での人々との出会い、交流を楽しみながらの約2年半のクルーズに11月1日出航した。

本人のデニス・ハワードはシングルハンドの航海経験豊かなセイラー。




今は緑内障のため右目は全盲、左目は視野がストローから覗いた位しかなく、法律上は盲人。しかし前向きなスピリットとチャレンジ精神の持ち主。しかもこの男はミュージシャンでもある。音楽は強い支えになってくれるだろう。

1978年製PSCフリッカ、アヴァロ。友人たちの助けもあって航海の準備はぬかりなく行ったようだ。


米CBSネットワークTVで今年の夏に放送されたインタビューと帆走のビデオは [こちら] (頭30秒のコマーシャルは無視)。

(写真はいずれもPSC製434艇中番数不詳、1978年製 Avalo とそのオーナーのデニスです。)
デニスのブログ

2011年11月4日金曜日

ムーアリング・ウィップ

ニューヨーク州のフリッカ、テューズデイズ・チャイルド。

川のドックでの係留に [ムーアリング・ウィップ] を使っている。

言わば前後2本の釣竿で船体を岸から離して係留する仕掛け。風波により船体がドックや岸に押し付けられ損傷するのを防ぐ。ドックのフェンダー代わりになる。1本吊るしたフェンダーは乗降時ドックに近づいた時のためだろう。




バウ側はウィップから伸びたラインにブロックを付け、それに通したラインをバウスプリットに巻いて留めている。



乗艇時は係留ラインを引く前に竿(ファイバーグラス製)をドック上のベースから抜いて外すのだろうか。



かなり手間がかかりそうだがマストが倒してあるので長期間係留時のみ使用しているのかも知れない。

スターン側はウィップからのラインをクリートに留めてある。







かなり長いウィップを使っている。船体がこれだけ岸から離れていれば他人が気軽に土足で乗艇することは無いかも知れない。

メーカーは複数ある。 参考までに装着法のビデオは [こちら] 。このビデオでは艇に留めたラインを竿先端から竿に沿って手元まで伸ばし、ラインの長さを調整することで艇とドック間の距離を変えている。

(写真はいずれもPSC製434艇中336番 Tuesday's Child です。)
日本のヤフー・フリッカ・グループ

2011年11月3日木曜日

パピヨン 帆走

バザーズ・ベイを行くパピヨン。

ワーキング・ジブとメインでのんびりと。







セイルは真っ白でこの距離で見る限りまだシェイプも崩れていない。

良く見るとホライゾン・セイルのマーク。










28年前の1983年製オリジナル・セイルだが、先代オーナーまで余程帆走日数が少なかったのだろう。

ハルヤード・ウィンチはマストにあるためキャビントップはすっきりしている。







コンパニオンウェイ・ハッチは現オーナーが [修復] した。








(写真はいずれもPSC製434艇中246番目 Papillon です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2011年11月2日水曜日

パピヨン 近影

早いもので現オーナーが [冬の海でのシー・トライアル] を経てパピヨンを購入してからかれこれ3年になる。

[バザーズ・ベイ] のムーアリング・ボールに係留する同艇。







この辺りはその昔、捕鯨船の母港と揚げ場が集中していた地域。







当湾の南東沖20マイルにはエイハブがスターバック、イシメイル等のクルーと共に 『ピークォッド』 で出航したナンタケット島もある(モービー・ディック = 白鯨はフィクションだが長い間捕鯨船の母港であったことは事実)。今は夏の観光地として有名だが、昔は多くの捕鯨関係者が住み、当時の天井の低い住居など、他では見られない珍しい建物も数多く残されている。捕鯨船は樽が全部鯨油で一杯になるまで何年も母港に帰らず航海を続ける。エイハブは低い砂丘で出来た故郷 [ナンタケット] の砂をいつも小瓶に入れて持っていた。

(写真はいずれもPSC製434艇中246番目 Papillon です。)
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2011年11月1日火曜日

ボックス・アンカー (+類似品) 2

さて10月29日土曜日、フリップまではテストしないが、本当にこの三角のアンカーが使えるのか、マリーナのすぐ外で試してみた。ここのボトムは泥。テスト時の水深約10フィート。スコープは約2:1(ロード:水深)になる。



艇は殆ど停止しているがエンジンのrpmがミニマムでギアが前進に入っている状態でスターンから投錨。ラインを全て出したところでスナッバー・ラインを付け、ロードが艇のセンターライン上に伸びるようにした。



25分以上経過後の様子。微風で波も無く、潮も殆どスラックのため走錨する訳もないが、まさにこのような状況で短時間係留するために用意する、軽く小さくハンドリングしやすい 『ランチ・フック』 の定義にピッタリのアンカーだ。しかし何せ2:1のスコープ。風、波、潮のひとつが少しでも強かったらすぐ走錨したのではないだろうか。ラインも軽量の径5/16インチ(約8mm)の三つ撚りが付いているが、長さは充分なスコープを取るため100フィートは欲しい。

***

尚、スターン・アンカーは通常セカンダリー・アンカーとして補助的に使う人が多いが、セレニティーではプライマリー・アンカーのハイドロバブル・アンカーをスターンから投錨して錨泊することも考えている。そのために新しいチェイン250フィートも購入したい。

本題の本物ボックス・アンカーについてはLサイズのものをプライマリーのバックアップとして用意することを考えたい。オフショア使用の場合、ボックス・アンカーも他のアンカー同様チェイン+ライン、または全チェインのロードを使用する。スコープもスペースの限られたタイトなアンカレジ(錨泊地)の場合を除き、2:1ではなく5:1~7:1にするのが賢明だろう。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真