ヴァージニアとの州境に近いノース・カロライナ州 [エリザベス・シティ] のドックに係留のジェイナス。
東海岸にはまだ浮きドックではない旧式のドックが一杯残っている。
そのためかこの艇にはアミッドシップ・クリートこそないが、コックピット周りに自分で後付けしたと思われるクリートがあちこちに付いている。
1983年中頃以前の艇なので旧モデルのデッキ・モールドによる造船。
今まで何艇も見て来たように、メイン(スライディング)ハッチはこの時代の艇に独特のアーチ2本がアスワートシップ(両舷方向)乗った形のもの。またブリッジ・デッキは無くコンパニオンウェイ(キャビン入口)の切り込みが深い。
スターン・プルピット・レイルは一段式だが、センター部分だけメインシート・トラヴェラーになる中程の2段目が付いている。
バックステイは逆Y字型のスプリット・ステイ。スターン下部、ラダー両脇にコックピットの排水口がある。
このドレイン(排水システム)タイプは追い波の時ここから入った水が逆流して一時的にコックピットに出て来る場合が多い。デイ・セイリングではコックピット・ソールが一時的に濡れる程度とは言え、予め言っておかないとセイリングが初めてのゲストたちはこれは大変と驚くらしい。クルージング中ダウンウィンド・セイリングで長時間外洋を走る場合は外からコルクの栓をする人もいると言う。1983年後半以降の新型デッキ・モールドではコンパニオンウェイ下のスルーハルから海中に排水するようになったのでこの問題はない。
(写真はPSC製434艇中、番数不明、1980年製の Janus です。)
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