2008年11月30日日曜日

1981年製

中古艇の販売サイト 『ヨットワールド』 のページで Flicka と入力し検索するといつもフリッカが12、3艇は出てくる。その中でこの1981年製があった。

ギャーフ・リグでシュラウドは各舷2本づつ。PSCはギャーフ・リグの注文も受けていたし、この写真では別段特別変わったところはない。













しかしバウスプリットの装着法がユニーク。デッキへもスルー・ボルトで留めてあるのだろうが、ステム両側とバウスプリットをチェインプレイトで留め込んであるのが目を引く。


ボブステイにはワイヤー・ロープではなくチェインを使用。バウスプリットにはプルピットがなく、ブルワークスに沿ってスタンチョンとライフラインも付いていない。

これらの点からこの艇はオーナーが自分の好みに合わせて造った自作艇、またはベア・ハルとベア・デッキだけPSCから購入した、いわゆる 『キット・ボート』(正式には 『オーナー・コンプリーション・ボート』)だろうと想像できる。

ハルを良く観るとフリッカのシンボルである葡萄の蔦のスクロールワークがない。不可解だ。PSC製のハルならスクロールワークが付いているはずだ。サイトの情報によるとハルはファイバーグラス製だが、ひょっとしてコールド・モールドの自作ハルか。いやいや、ハルにはカーヴル・ブランキングの擬似ラインもついている。自作ではここまでできないだろう。

キャビン・トップ前方に造り込んだフォアワード・ハッチの孔も自作にしてはうまく出来すぎている。やはりキット・ボートだろう。ハンド・レール装着法や、低いブルワークス上の木製レールの形状は素人っぽい。


PSCによるベア・ハルとデッキだけのキット・ボート販売は1983年頃までにはなくなったようだから、この艇は最後のPSC製キット・ボートのひとつかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数艇名未確認1981年製フリッカです。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2008年11月29日土曜日

セイラーの知恵 『シート・トゥー・ティラー』

シート・トゥー・ティラー(Sheet-to-Tiller)システムは、メインシートまたはジブシートに現れた風向の変化をメインシートまたはジブシートから引いた専用ラインでティラーに伝え、風向に対する艇の進行角度を保つ、自動操舵装置のこと。

『オートパイロット』 などのエレクトロニクスにも、『モニター』 など高価なウィンドヴェインにも頼らない、昔からセイラーたちが使ってきたセルフ・スティアリングだ。ただし、真下りでは効果的ではなく、使えない。


風に関係なく針路を設定するオートパイロットとちがい、ウィンドヴェインのように例えば風向きが10度変わればそれに応じてコースも10度変え、風向に対する艇の進行角度が一定に保てる。

写真のフリッカにはオートパイロットも付いているが、ご覧のようにこの写真では稼動していない。ティラーの片側にゴムの伸縮ライン、反対側にはシートから引っ張ったラインを結んでティラーをコントロールしている。

詳しくは Sheet to Tiller で検索するか、こちらを参照 ⇒ [Sheet-to-Tiller Self-Steering]

(写真はPSC製434艇中200番台後半の Kittiwake です。)
Kittiwake オーナーのサイト

2008年11月28日金曜日

ギャリー

フリッカは20フィート艇でもクルージング艇だからギャリー(台所)もヘッド(トイレ)もある。ギャリーにはアイス・ボックス、シンク、レンジが一式揃っている。キャビンの天井の高さが充分あり、まっすぐ立って仕事ができるので楽だ。

Vバースから見たフリッカのポートサイドのギャリー。手前からアイスボックス、シンク、レンジの順。レンジのフタはまな板になる。

アイスボックスの前に下がっている白いものは折りたたみ式テーブル。その向こうにシンク下のドアと引き出し。







シンクの下のドアを開けたところ。艇の喫水線は奥の棚の板の上辺あたり。










レンジの上のフタ(まな板)をとると二口の非圧式アルコール・コンロ。その向こう、クォーター・バースの上に見える三枚の白い板は、この艇特製の折りたたみ式サイド・テーブル。詳しくは⇒ [こちら]



清水タンクはこのようにクォーター・バースの下にある。







(写真はPSC製434艇中、上から順に番数艇名未確認(1981年製)、番数艇名未確認の別艇、220番目 Gypsy Lady = Shorty = Becky Ann、一番下もまたまた別の番数艇名未確認艇です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。
Gypsy Lady

2008年11月27日木曜日

ナヴィゲーション・ライト=航海灯

1970年代のPSC製フリッカのモールドは航海灯用にバウの上端の両舷がへこませてあり、そこにそれぞれ緑灯、赤灯が仕込んである。
















1981年製ではこのへこみがなくなっている。








最後の1998年製までこのへこみのなくなったハルのモールドは変わっていない。航海灯は右舷・左舷に色分けされた一灯式のものをこのようにステム上端につけたものが多いが、90年代のものはおおかたバウ・プルピットのレール正面に装着してあるようだ。







(写真はPSC製434艇中、上から順に056番目 Redfeather、182番目 Whisper、295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan
Whisper

2008年11月26日水曜日

ポート・ホール (Video)

キャビンから外を見ながら。9月13日撮影。



(ビデオはPSC製434艇中295番 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年11月25日火曜日

バウスプリットのキャップ

バウスプリットは何年も経つと、特に雨の多い地方では腐りはじめる。スプリット先端部は木のエンド・グレイン(柾目)になるのでそこから水が滲み込んで腐蝕の原因になりやすい。ペイントするのも良いが、キャップで保護するのも悪くない。















ちなみに乾燥した南カリフォルニアの21歳のフリッカ Serenity (PSC製295番)を買った時、バウスプリットは痛んでいなかった。北カリフォルニアに移して3年後もまだ大丈夫。シーラントやペイントを塗布してメンテはしている。

(写真はPSC製434艇中、番数未確認 Mira です。)
US Yahoo! Flicka Group

2008年11月24日月曜日

プロパン・ボンベの置き場所

フリッカでは非圧式アルコール・コンロ(2口)がスタンダードだが、プロパン・コンロに換装する艇もある。プロパンはエアーより重いから漏れたガスがキャビン・ソール(床)やビルジに溜まると危ない。爆発の恐れがある。配管にも国によりちがうが厳重な規制が敷かれている。

タンク(ボンベ)の置き場所としては、漏れたガスが間違いなく艇外に排出されるように、細身タイプのアルミ製タンクをスターン・レールの外側に掛けるオーナーも多い。

その一例。













これも同型のタンク。プロパンは世界各地で比較的手軽に購入できるらしい。






ガスはガスでも天然ガスの場合エアーより軽く、漏れても艇外に出やすいのでプロパンより安全だが、購入先が限られるのが難点。このためクルーザーたちには敬遠されているようだ。

2枚目の写真と同じ艇。プロパン・タンクはカバーもなく、直射日光にさらされ、雨に打たれ、海水スプレイを浴びているのが普通。しかし、この艇ではキャンバス・カバーを被せた。







タンクを艇内に置く場合、漏れたガスが艇内に溜まらないように密閉式専用ロッカーが必要(艇内に対しては密閉、艇外に対してはリークしたガスを直接排出できるようロッカー底部に孔がある)。次のリンクのフリッカは1983年末の新型デッキ・モールド艇だがリークしたガスの専用排出口をトランサムに設けるなどして、コックピット・シート間にプロパン・ロッカーを設置した。⇒ [6ページを参照]

(写真上はノー’スター製20艇中、最後の20番目 Motu、下2枚はPSC製434艇中171番目 Kawabunga! です。)
Motu
Kawabunga!
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。