2011年12月7日水曜日

フロリダの赤いフリッカ エンジン

エンジン・ルームも至ってクリーン。

1983年製なのでエンジンは1GM (ファクトリーでの1GM10搭載は1985年以降)。

通常 [左舷側の壁に在る] 燃料フィルター(燃料中の水セパレーター)と外付け燃料ポンプが見えない。

エンジン・ルーム両側にあるマリン合板の壁も見えない。キャメラ位置をもっと低くすれば見えるはず。





しかしシリンダーヘッド左舷側にあるインジェクター・トップの燃料リターン・ラインは通常の左舷側の壁の孔ではなく、フォアに向かって走っている。この艇の燃料タンクはどこにあるのだろう。

画面下の排気・排水管。ミキシング・エルボーとウォーター・マフラーの間に仕込まれた黒い物体。




これは [チェック・バルブ] と呼ばれるもので、水の逆流を防ぐもの。このためウォーター・マフラーはもっとスターン方向に押しやられている。

しかし、そもそもウォーター・マフラーにはチェック・バルブの機能も備わっている。にも拘わらずわざわざこれを付けたという事は、この艇では逆流の苦い経験があるのか。一昨日、この艇のトランサムにあるスルーハルを見たが、ことごとくコックでシャット・オフできるようになっている。神経質とまで言える程スターンからの波で水が各ホース内を逆流してくることを心配しているようだ。

キャメラを少し引いたので開口部の周りを走っているガターも見える。






旧型モールドではハッチ・カバーだけではなく、ハッチ開口部やガターを含むベース部分全体も [外せる構造] になっている。ハッチ・カバーや開口部はそのベース部分に作り込んであるのでその分開口部が狭い。 [新型] では言わば旧型のベース部分全体がハッチ・カバーになっており、開口部のエッジが旧型のガターの外周あたりに存る。このため開口部は旧型に比べ片側だけでも2.5インチ(約6.4cm)以上広い。

上3枚の旧型写真でエンジン・ルームの合板の壁が見えないのもこのためではないだろうか。

エンジン・ダッシボードの枠とドアはうまく自作してある。ドアを閉めてもキーはガラスに当たらない。



(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカ・ホームページで今売りに出されているフリッカ一覧

2011年12月6日火曜日

インテリア メンテ作業進行中

オフ・シーズンのセレニティー、毎週末の作業進行中。

明るい部分はお湯に浸して絞った雑巾でオイルや汚れを拭き取り、乾燥してから150番の紙やすりでサンドしたところ。



暗い部分はサンド前。(お湯を使ったウェット・サンディングより、オイルや汚れを布で拭き取り乾燥させた後ペーパー・サンディングするという手順の方が楽という事が判った。)

初代オーナーが装着した [鏡とオイル・ランプ] も取り払って作業。








一様にサンドしたのだが鏡とランプのあった部分がどうしてもベア・ウッドの様に明るくならない。

ファクトリー出荷時、ティーク部分全体に何がしかのオイル(多分、所謂ティーク・オイルという名前で売っているが実はミネラル・オイルその他の混合品)が塗ってあり、長い間装着品で被われて来た部分のみ乾燥せず奥の奥まで染み込んでしまったということだろうか。

幸い鏡とランプは同じ場所に付け戻すのであまり気にする必要は無い。この種の差異についてはOKとする。

しかし、部屋の残りの 『見える』 部分についてはこれからもじっくりと作業を続けたい。下地の不備は塗装でごまかすことはできない。塗装の結果は下地の結果、と言われる位塗装前の下地準備は重要だ。(そういう言葉を励みにして取り組むしかない程疲れる作業でもある。音楽は欠かせない。)

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
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2011年12月5日月曜日

フロリダの赤いフリッカ コックピット 2

実はフリッカは20フィートのクルージング艇としてはコックピットが大きい。大き過ぎると言う人もいる。デイ・セイラー並みだ。

実際36~37フィートの外洋クルージング艇でもコックピット・ソール(床)がこのエンジン・ハッチ部分の大きさ位しかないデザインが多い。追い波を被った場合など、コックピットに入る水量を最小限にとどめるためだ。

コックピット後部に密閉式ラザレットを作れば被水対策にもなり収納スペースも増える。一考に値するが、後部ではなく [前部(ブリッジ・デッキ)] に作った艇もある。




右舷側シート・ロッカー内部を見てみよう。

ラザレットがコックピット後部にあると手動ビルジ・ポンプはこの様にフォアへ移動せざるを得ない。




それを受けるためバッテリーは横並びではなく見ての通りT字型配置となった。(昨日1枚目の写真で見たように通常右舷側にあるエンジン・コントロールが左舷側にあるのもこのため。)

スターンの [スルーハル] はやはりインボード側がエンジン・イグゾースト、アウトボード側がホールディング・タンク兼ビルジ用。

真ん中の小径のものの用途はまだ分からない。










(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2011年12月4日日曜日

フロリダの赤いフリッカ コックピット

1983年末に新型が出る前の旧型デッキ・モールドを使用。

コックピット・クッションはハルと同じ赤。

エンジンのコントロール・レバーが左舷側にあるのは珍しい。その横は燃料シャット・オフ・ノブ(ガード付き)。


オートパイロットは右舷コックピット・ロッカー開閉の邪魔にならないよう、左舷側に装着。




この艇は船内機仕様だが、船外機艇同様、後部にラザレット(ロッカー)が付いている。





格納してあるのはガソリンではなく、ギャリー用のプロパンか天然ガス。






プロパンだとしたらこのアレンジは極めて危険だ。

この艇はPSC製旧型モールド艇とは言え、70年代末の初期艇とはコックピット排水経路が異なる。初期艇では水をコックピット周辺の排水路からスターンに集め、トランサムの喫水の上(乾舷)にあるスルーハルから艇外に出していたが、この艇では83年末以降の新モールド艇同様、コックピットの水がフォアの隅の排水口から下に落ち、コンパニオンウェイ直下のスルーハルから海中に排出される*。

当然ながらコックピット排水口とスルーハルを繋ぐ排水ホースの途中(喫水)まで海水が来ている。万が一コックピット内に置いたタンクからガスがリークした場合、空気より重く水より軽いプロパンは逃げ口が無く、排水ホースの喫水線より上に溜まり、さらにコックピットに溜まることになり、爆発の危険性が高い。この艇のタンクは空気より軽い天然ガス(LNG)用なのだろうか。

通常プロパンの場合、リークしたガスがスカッパーから艇外に出る [デッキ上に置く] か、スターン・プルピットの [アウトボード側] に装着する。

* この艇のコンパニオンウェイ直下のスルーハルは [この写真] で見られる(後ろから2本目と3本目のスタンドの間)。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカ・ブローシュア(14頁版)

2011年12月3日土曜日

フロリダの赤いフリッカ バウスプリット

バウスプリットやプラットフォームに何を塗っているのだろう。セトール、エピファン、または他のヨット・ワニスか、とにかくきれいにメンテされている。

ファクトリー製プラットフォームはティーク、バウスプリットはダグラス・ファー。

ティークはオイルを含んだ木なので何も塗らなくても良いが、ダグラス・ファーはそういう訳には行かない。剥き出しのままのバウスプリットが腐食し、1回ばかりか2回も交換したという話しも聞く。







ファクトリー・オプションでバウスプリットに白いペイントを塗ることもやっていた。幸い#295セレニティーではそのオプションが施してあったため、27年後もまだオリジナル・スプリットのままだ。(無論、適時ペイントの補修をする。)

このスプリットはティークで作り直したもののようだ。







両側のプラットフォームはファクトリー出荷時のオリジナルに見える。

スプリット先端部分にはSS製のタガを嵌めこんである。スプリットは厚板2枚を張り合わせて作ってあるので、その剥離防止と先端部補強の意味があるのだろう。








タガは角材部を上下から締める分厚いコの字型のステンレス板(ただし先端の丸材部は孔が開いている)に、円筒形の板を溶接。ブロンズ製クランズ・アイアンはその円筒の上にすっぽり収まっている。

角材部はスルー・ボルト2本で締め付け固定。









プラットフォームにアンカー・ローラーが無い。アンカーはコックピット・ロッカーに入れてあるのだろう。それにしてもローラーがないとロードの展開・格納時、チェインにしろラインにしろ直接ティークを擦る。

高価なティーク・デッキのオプションを選択しながら、ローラーが無いということは、余程アンカリングをしないスタイルのボート・ライフを見込んでいたのだろう。





燃料タンクのヴェントの位置がユニーク。

通常の位置は [この辺り] 。





PSCはこの艇の直後からヴェントを後ろに移動させ、多少目立たなくしたのかも知れない。

(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカのスペック

2011年12月2日金曜日

フロリダの赤いフリッカ メイン・ハッチ

昨日見た二重構造のコンパニオンウェイ(メイン)ハッチ。同じ古いデッキ・モールドを使った同年製の [他艇のハッチ] と比べても構造が異なる。

通常ハッチは内側の小高いレイルを挟むようにして乗っているが、この艇ではプレキシ・グラス製ハッチが平坦に乗っているだけ。

ハッチ手前部分にはティーク製フラップを付け、差し板との間の隙間を閉じたり開いたり出来るようだ。その少し前方にはティークの横木を装着してあり前方からの水をトラップし、両側へ流すようにしてある。





外側のティーク製キャップ・レイルは特別高く設えてあり、そこにハッチの端がバッティングしたままスライドするようだ。ハッチは下から押してスポンと外せそうだが、他艇の [夏場のスクリーン] のような簡単な作りではない。ファイバーグラス・ハッチの下に潜っているフォア・エンドはどうなっているのだろう。手前(アフト)エンドにはティーク・レイルに固定、施錠するための [ハスプ] も装着されているのでこのプレキシ・グラス製が明り取り用に一時的に使われるものとは考え難い。

ファイバーグラス製ハッチの下はフォアとサイドにティークの下駄を履かせ、レイルを跨がせて安定させ、かつ、フォアから水が浸入しないようにしてある。

中途半端な位置で停まっているが、これがファクトリー製であるにしろ、オーナーによるアフター・マーケットの処理にしろ、この二重構造ではある程度シー・フッドの役割も果たしているように思える。もしかしたら、完全に固定して、シー・フッドそのものになっているのかも知れない。


実はこの停まった位置が絶妙。ファクトリー製シー・フッドの付いた1983年末以降のフリッカではブームヴァングを設定すると、ヴァングのブロックがシー・フッドにゴツゴツ当たってしまう。そこでマストステップにセイルタイを結び [ヴァングをセイルタイに付ける] などしてシー・フッドを防御する必要がある。

シー・フッドがこの位置に留めてあれば、ヴァングが当たる心配はない訳だ。















(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ フリッカのリグ

2011年12月1日木曜日

フロリダの赤いフリッカ デッキ

この艇のデッキは [サリー・アン] (294番/1984年製)や [ダルシ二ア] (412番/1992年製)同様、ファイバーグラスの上にティークを張って仕上げたもの。

(艇前方、芝生へのゲートが開いている。ここが出入口か。)

サリー・アンでは2006年にキング・プランクと呼ばれる真ん中の板を張り替えた。この艇では多少傷らしきものは見えるものの、雨の多いフロリダで28年経った今でもまだ大丈夫と見える。







サリー・アンもこの艇もコンパニオンウェイ(メイン)ハッチを格納するシー・フッドが無いが、サリー・アンではハッチ全体が [ティーク製] 、この艇ではファイバーグラス製ハッチの下にプレキシ・グラス製も付けてあり、二重スライド構造になっているようだ。

尚、ダルシニアでは [シー・フッド] の上だけがティーク張りになっている。





またダルシニアもサリー・アンもフォアワード・ハッチはティーク製だがこの艇ではアルミ枠のスタンダード。同じティーク・デッキ仕様でも時代やオーナーの好みでヴァリエーションがある。

1983年製だがマストやブームは断面が正円に近い初期艇のものではなく [1984年製] と同じキニヨン製。



マスト・ステップやキャビントップ上のオーガナイザーを使ったシングルハンダーズ・パッケージのライン・レイアウトも84年艇と何ら変わりない。













メイン・ハッチの二重スライド構造は気になるところだが、ファイバーグラス製のものが言わばスライド式シー・フッドになっているのかも知れない。













(写真はいずれもPSC製434艇中、番数不明、1983年製のフリッカです。)
⇒ 日本のヤフー・フリッカ・グループ