2010年3月22日月曜日

MdR のフリッカ - エンジン

珍しい3気筒エンジン。フリッカで3気筒エンジンを載せているのはこの艇だけではないだろうか。

Tridentの名前が見えるがどこで製造しているのか不明。









エアー・フィルターや発電機を外せばハッチからなんとか出し入れできる。それにしてもフリッカのエンジン・ルームに3気筒がフィットするとは驚きだ。3気筒だったら馬力は十分、振動も少なく静かだろう。

K2- の表示があるのでクボタ・ベースのエンジンかと思ったが、クボタの K2 は2気筒なのでちがうようだ。





不思議なエンジン。昔なら車を LA まで5時間飛ばして見に行くところだが、最近怠け者になってしまった。

[後記: その後、下のリンク先ページでクボタの3気筒エンジンと紹介された。]

(写真はいずれもPSC製434艇中、199番、1982年製 Corsair です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の詳細

2010年3月21日日曜日

MdR のフリッカ - インテリア

ギャリーを中心にインテリアもかなりパーソナライズされている。

画面一等右は通常アイスボックスのあるスペースだが、そこにはオーブン付きのギンボル式プロパン・レンジを設置。



ガラス絵の上には電灯。レンジの上に置いたフタをチャート・テーブルとして使える。

ギャリー前面全体にタオルや手拭いを掛けるパイプ。シンク下のスペースとその左の収納スペースは通気の良いルーヴァー付き扉でカバー。足元に見えるのはもちろん清水用の足踏みポンプ。

奥の棚、下の段は幅をミニマムにし、細長いカウンタートップのフタを置くスペースを作り出している。2口レンジのようにも見えるが、レンジはオーブンの上に付いている。深さ20㎝程のボックスではないかと思う。

レンジとオーブン。











家庭用と比べると小型だが、生活の臭いを感じさせる。リブ・アボードしていた可能性が大きい。

前方を望む。












ポートに付けた日除けと、ハル・イナー間のスペースを収納として利用するためにVバース両側に開けた各弦2個のオープニングが目を引く。

後方を見る。広い。

個室ヘッドのないオープン・レイアウト型だ。






シンプルだが居心地の良い、十分生活のできるスペースだ。

ヘッドはVバースにも見当たらないので、マリーナでは陸上施設、海上ではバケツを使うのだろう。(どんなセイルボートでも長距離外洋航海ではヘッドがあっても使用せず、バケツまたはそれに類したもので用を足す者が多い。ヘッドを海水で水洗すると独特の臭いがヘッドに立ち込める。)

(写真はいずれもPSC製434艇中、199番 Corsair です。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力して検索するとリストアップされます。

2010年3月20日土曜日

MdR のフリッカ

サンタモニカ南隣りのマリーナ、マリーナ・デル・レイにはフリッカも多い。過去2~3年で1~2杯が売れて他の地域に移動してしまったが、今も大規模改修を完了したばかりの [デンジャラス] や今日のこのフリッカが売りに出されている。

1982年製のこの艇には各所に新艇オーダー時のオーナーの好みが反映されている。






通常各舷3本のスタンションも2本しかない。

スターン・プルピット・レイルもない。

トウ・レイルはティークではなくアルミ製。






(尚、PSCファクトリー・スペックのプルピット・レイルやスタンションの購入先については昨日 [出目金(?)のフリッカ] に後記を追加したので参照され度。)

バックステイは後期モデルと同じデュアル・バックステイだ。

艇のエンジンはディーゼル船内機で、この船外機はディンギー用。1920年代末に最初のモデルが出て、第二次大戦中に軍のスペックで24時間稼動し続ける高い信頼性を獲得した [イギリス製シーガル]。1997年以来製造されていないが今でも新品パーツが入手できる。



スターンにはメインシート用トラベラー。ファクトリーで装着したものだろう。その右下にはスターン・アンカー用のフェアリードが見える。

ラダーチーク(頬板)は痛みがひどく、新品を作って交換する必要がありそうだ。ティラーの姿も見えないが、例えばウエスト・マリーンで入手できるJ24用の差し込み部分の厚みを少し減らせば使える。

スターンに装着したブロンズ製ポートが目を引くが、その目的だけは今ひとつ釈然としない。






単なる収納スペースとは思えないが、船内機用ダッシュボード(計器盤)はどこだろう。

バウ・プラットフォームに搭載してあるのはブルース・アンカー。








ティーク・プラットフォームのアンカーやチェインが当たる部分にはSSパネルのカバーを付けている。

アンカー・ロード(チェイン+ロープ)の入るハウザー・パイプは楕円形ではなく円形の大型で、バウスプリットの真後ろ。船内機用の燃料注入口は左舷ではなく右舷。燃料タンクのヴェンティレーション(通気孔)も右舷スクロールワークの上にある。

これらの配置はプラットフォーム右舷に置いたアンカーから少し距離を取って左舷側に縦型ウィンドラスを設置するためのものと思われる。縦型ウィンドラスはデッキ上にはドラムがあるだけで、マシーンの殆どはデッキ下にあり、ロードをどちらの方向からも巻けるのが特長だ。

バウのプライマリー・アンカーがファクトリー・スタンダードの CQR ではなくブルース・アンカーであることと、上記バウ、スターンの各アンカー用のセットアップから、オーナーがカタリナ島のイスマスで頻繁に錨泊したことが分かる。かなりのシーマンだ。フォアステイにはハンクが下に落ちるのを防ぐ仕掛け(他の例 )も見える。

このフリッカはオリジナル・オーナーが自分の使い勝手を考えて仕上げた、出航回数の多い幸せなフリッカだったのではないだろうか。

(写真はいずれもPSC製434艇中、199番 Corsair です。)
www.yachtworld.com SEARCH ボタンの上の欄に Flicka と入力して検索するとリストアップされます。

2010年3月19日金曜日

シップス・ベル

視界100フィート(約33m)の朝霧の中を航行するトゥーカン。設定したコンパス・コース(針路)を保ち、GPSとチャートで位置を確認しながら、無事目的地に到着したという。












オーナーのロンはこの後さらに経験を積むため、自分の熟知している係留地近くの海域で、霧の出やすい夜間の航行もしてみたそうだ。

霧中、夜間、強風下、雨天下などでの実体験は他の何ものにも変えられない。いつも今日は25~30ノットの風があるから出航しないなどと言っていては、マイルドな風波が急変したりした時、ぶっつけ本番で初めて悪天候や困難な状況に遭遇することになる。

これらの状況に備えて日常訓練を重ねておくことは重要だ。天候ごとに訓練目標・項目を設定して、気象状況に合わせて少しづつスキル・アップを図るようにすれば、いざという時に適切な判断を下し正しい行動がとれるようになるだろう。

これは同艇のシップス・ベルだ。








ベルは昔から主に [時間を知らせる] ために使われていたが、フォグ・ホーン同様、霧中の警鐘としても使われて来た。今でも相手に注意を喚起させるために使われる。

ベルには船名、造船年、造船所名が刻まれ(またはレリーフ状の盛り上げ)、その後船名が変わっても、ベルだけは造船時からのものをそのまま引き継ぐのが伝統で、難破した船は ID をベルで確認できた、と上のリンク先ページに書いてある。

また海軍人の子供の洗礼にはシップス・ベルを使ったそうだ。洗礼後、洗礼を受けた子供の名前をそのベルに刻むのも伝統だったという。

(写真はいずれもPSC製434艇中340番 Toucan です。)
Toucan ホームページ 左のメニューの Blog をクリック。

2010年3月17日水曜日

個室ヘッド数々

フリッカの個室ヘッド(トイレ)。新艇オーダー時にオーナーの好みに合わせてオプションや特注ができたのでいろいろバラエティーに富んでいる。

最もスタンダードなファクトリー・フィニッシのヘッド。







画面右側、ヘッド後方の収納スペースの下にヘッド用ホールディング・タンクがある。(ティッシュの乗った小さな棚は自作、これからステインやニスを塗るところ。)

この艇はハルの内張りをティークのスノコ張りにしてあるので、ヘッドの中も同様の仕上げ。ファクトリー・フィニッシ。














ソール(床)部分がティーク+ホーリー。下にオープン・ボックス型収納がない。代わりにヘッド後方に同様の収納が設えてある。

ハルのカーペットがソールのすぐ横まで来ているのは珍しい。カーペット張りはファクトリー、ソール部分はオーナー・フィニッシと思われる。





後方の収納は珍しいがファクトリー・フィニッシかも知れない。ここが塞がれているという事は、その後方、ホールディング・タンク上の広いスペース利用のため、そこにもコックピットからアクセスできるロッカーが設置されている可能性が大きい。

カーペットの内張りの代わりにティークを張った艇。ティークのスペーシングから見てオーナー(がプロに依頼した)フィニッシと思われる。ペーパー・ホールダーはファクトリー・オプション。

ヘッド後方に上の艇と同じ収納があれば、上の艇もこの艇もその収納が間違いなくファクトリー・フィニッシと言えるのだが、残念な事にこの写真では見えない。




尚、ヘッド前面の壁、上と中ほどに横に渡したレイルはコンパニオンウェイの差し板の収納用と考えられる。写真には写っていないが恐らく下にも一本渡してあるのだろう。このアイデアは興しろい。

ヘッド後方収納スペースに観音開きの扉付き。すぐ前の側面にあるフタ付きの小さな収納も含め、ファクトリー・フィニッシだろう。



中にはこういう簡素なヘッドもある。
















ヘッドのバルブは座って左側にあるものと思っていたが、このように右後ろに付いている艇が今日の写真だけでも4杯確認できた事は少し驚きだ。シートの左側にあるセレニティーが例外的なのかも知れない。

(写真一番上はPSC製434艇中340番 Toucan、一番下は281番 Nitnoy、その他の艇は番数・艇名不詳。)
Toucan ホームページ

出目金(?)のフリッカ

このフリッカは [オーシャン・ジプシー] 。オーナー・コンプリーション・ボートだ。

この艇のポート(窓)は後ろの大きいものだけが開閉式。









大きいポートが殊更突き出て見えるのはなぜだろう。前二つのポートが締め切り式でフラットだからそう見えるだけだろうか。また、なぜか大きいポートのベース周りだけブロンズの緑青がないので、その分余計にポートが誇張されて見えるのだろうか。

周知のように、船外機仕様としてオーダーされた初期艇にはキールにプロペラ用アパチャー(切り込み)がない。



船外機と言えば、機走・機帆走時、波で艇が大きくピッチングする(前後に揺れる)場合、このようなロング・シャフトでもプロペラが海上に出て空転する場合が無きにしも非ずと言う。

しかし、船内機、船外機はそれぞれ初期価格、燃費、安全性、操舵性、メンテのしやすさ、艇のトリム(バランス)などの点で長所短所あり、一概にどちらが良いとは言えない。自分に合ったものを選べば良い。USフリッカ・グループへの書き込みでもオーナーの好みは二分している。というよりそれぞれ自分の持っている艇のものが気に入っている様子。

個室ヘッド型か、オープン・レイアウト型か、などど同様、慣れればどちらでも良いことのようだ。どのフリッカでもメンテの良さがキーになる。

***

後記: 奇しくもこの2日後、米時間3月18日にオーシャン・ジプシーの現オーナーからUSヤフー・グループに投稿があった。バウ・プルピット、スターン・プルピット、ダブル・ライフラインのスタンションを取り付けたいと調査し、PSCにこれらのパーツを供給していた [部品メーカーを突き止めた] という。

メーカー: Railmakers, Inc.  Costa Mesa, CA.
(担当:Dave Hawley 電話:949-642-6506)
バウ・プルピット = $500、
スターン・プルピット = $600、
スタンション = 一本 $50
(高さ24インチ、ダブル・ライフライン仕様、デッキ・ロール設定アングル5度)

以上、PSCのオリジナル・スペックどおりの製品。同社にはまだ製作のための治具もそのまま残っているという。(尚、価格は1年前のもので、それぞれ単発オーダー価格。梱包費・送料別。)

***

(写真はPSC製434艇中136番目 Ocean Gypsy です。)
フリッカ・ホームページのデータベースにある同艇の紹介

2010年3月16日火曜日

有りもので済ますコックピット・テーブル

セレ二ティーにはコックピット・テーブルがないので代用品で済ませる。
[木のテーブル] を作ろうかとも思ったが、使わない時は単なる荷物だ。

収納スペースが限られている小さなボートでは、いま艇に有るものを利用した方が合理的ではないか。

そこでウィスカー・ポール+ウィスカー・ポールと同じ長さに伸ばしたボート・フックで枠をつくる。






ブームに回した1本のラインの両端を使って各ポールをローリング・ヒッチで固定する。スターン側はそれぞれリーフ時に使っているラインの切れ端でプルピット・レイルの柱にヒッチ。

キャビン内から持って来た板は奥から (1) エンジン・ルームのカバーを裏返しにしたもの、(2) スターボード・セッティー下の収納のフタ、(3)Vバース下の収納のフタ。

時間はかからない。ここまで設定するのに2~3分。見た目より驚くほど安定性がある。






有り合せのテーブル・クロスを掛けて出来上がり。









大人4人がゆっくり腰を掛けられる。V字型なので出入りが実に簡単。

2人の時は2枚で十分だ。











足元にテーブル用スタンドがないので、レッグ・ルームが広く、使い勝手はすこぶる良い。






夏場、セイリング後テーブルを広げる時間には西日がきつい(ちょうど右舷から入る)ので、そこにワイヤー・ラフのステイスルを張ろうと思う。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・フレンズ・ニューズレター