2010年12月7日火曜日

冬場のムーアリング

イギリスのフリッカ 「キャラウェイ」 。12月に入り、クライストチャーチも雪の季節となったようだ。














そろそろ去る8月に見た [1][2] のプロセスをリヴァースして陸置きするのではないだろうか。

寒い地域に住んでいるオーナーたちの中にはシアトルに住まう 「トゥーカン」 のロンのように冬も海に出る人もいるが、大方はウィンタライズして春を待つ。














こちらは今年の夏、このムーアリングに係留を始めて間もない頃の様子。

(写真はいずれもPSC製434艇中423番目 Caraway です。)
フリッカ・ホームページ

2010年12月6日月曜日

インペラ点検・交換

セレニティーのエンジン 1GM10 は2006年2月に換装してから約5年。新品でも5シーズンのセイリングを終えると各所に錆も見える。

最初のインペラ交換は1年半(稼動159時間)後の2007年7月。交換後8ヶ月(稼動34時間)経った2008年3月にチェックした時は異常なし。以来2年9ヶ月(165時間)エンジンの調子は良く、入排水も問題なく出来ていたのでインペラをチェックしていなかった。このオフ・シーズンに予定していた必須メンテ項目のひとつだ。

ポンプ・カバーは [スピード・シール]










右1個のネジを外し、左2個のネジは緩めるだけでカバーを右側にスライドして外せる仕組みだが、見ての通り2年9ヶ月(165時間)手をつけなかったので少しリークした海水が真鍮製カバーに緑青を発生させている。指でネジを開けようとしたがなかなか動かず、布を被せてその上からプライヤーでグイと回してロック状態を解除してから指で回した。

念のため右側のネジと下のネジを外し、左上の1個だけ緩めた状態でカバーをスライドして外した。





方々に緑青が見える。それが固化したシリコン・コンパウンド(シリコン・グリース)と一緒にくっ付いている。

右が今回取り外したインペラ。左は新品。










3年5ヶ月(稼動199時間)経過したインペラは右4枚の羽根の先端が三角になるほど磨耗している。後の2枚に磨耗は見られない。ということはインペラを軸に固定するためのキーが内壁に付いている側が良く擦れるということか。

とにかく3年以上取り替えていないので交換することに決定。ちなみにヤンマーは1000時間毎または毎年の交換を指定している。

両側面と先端部にシリコン・コンパウンドを塗って嵌め込む。








軸は時計と反対方向の左回りなので羽根はこの方向に設定。

スピードシール・カバーのインペラ側。










堆積物を除去して、平たく滑らかにし、Oリング、およびOリングの入る溝を含む全面にシリコン・コンパウンドを塗布してリングを溝に嵌めこむ。(Oリングは点検して異常がなければ何回でも繰り返し使える。)

このカバーをポンプに装着、3本のネジを指で締め、試運転。排水口からの水の出がもっと良くなった。

ついでにポンプ下の2本のオイル・パイプに塗布していたシリコン・コンパウンドもきれいに拭き取り、新しいものを塗布して完了。このオイル・パイプの作業自体は適宜行い(2ヶ月に1回、約10時間毎の頻度)、パイプが塩に喰われないように保護している。

(写真はいずれもPSC製434艇中295番 Serenity です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年12月5日日曜日

スカウトの内部改造

昨日掲載のニュー・イングランドのフリッカ 「スカウト」 のクォーター・バースにはまだ清水タンク(容量17ガロン)が見られるが、現在Vバース下、ならびに右舷セッティー下に清水タンクを作りこんでいる最中。

真ん中のスペースが工事中の清水タンク(13ガロン)。ハルと壁はフード・グレードのエポキシの層を塗り、タンクにする。

そもそもこの場所にはアルミ製の燃料タンクが存ったのだが、スカウトではそれを取り外し、新たに右舷コックピット・シート下のコックピット・ロッカーに特製タンクを設置した。





ここにハルを利用した清水タンクを作るということは、アンカー・ロードを収容する前方のチェイン・ロッカーからビルジへの排水路を塞いでしまうということで、オーナーはチェイン・ロッカーにスポンジを置いて適宣溜まった水を吸い取るのだそうだ。

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手前に見えるバッテリー2個の置かれたスペースは通常収納スペースで、ファクトリー仕様では艇の中心線に沿って真ん中にファイバーグラス製の橋があり、右舷、左舷それぞれに蓋を置き、どちらからでもアクセスできるようになっていたのだがこのオーナーは見ての通りそのブリッジを切り取ってしまった。

(尚、ファクトリー仕様ではバッテリー2個は右舷コックピット・シート下のコックピット・ロッカーの中。昨日も触れたが、この艇ではバッテリーはもちろん、コックピット・ロッカー中にあった手動ビルジ・ポンプも、エンジンのリモート・コントロールやストッパーも、燃料タンク用のスペースを作るため全て他の場所に移した。)

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右舷セッティー下の収納スペースも清水タンク(14ガロン)に改造中。Vバースと合わせて容量27ガロン。この他5ガロン・ポリタンクにも清水を入れ、ウェット・ロッカー内に収容。長期クルーズ時にはポリタンクをデッキ置きしなくても約32ガロンの水が確保できる計算。







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クォーター・バース下の現タンクは切り取って収納スペースにするそうだ。タンクを形成しているファイバーグラスの内張りを除去するのでスペースがフルに使えるという。

セッティー下の清水タンク、ヘッド後方の5ガロン・ポリタンク、といずれも右舷側にあり、一方でクォーター・バースの清水タンクを無くすのだから、左舷側が軽くなり過ぎないかと心配になる。左舷に食糧その他重いものを詰め込み、水もどのタンクのものを使うか、良く考えて消費していかないと艇が前後左右にオフ・トリム(オフ・バランス)になりやすいので要注意だろう。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2010年12月4日土曜日

軽油を燃やすキャビン・ヒーター

エスパー・エアトロニクス・シリーズのヒーター、D2を取り付けているフリッカは [以前取り上げた] (写真2枚目、カタログのリンクもそちらにあるので参照され度)。

D2はシリーズ中で一番小さく、セイルボートなら30フィート艇位までカバーできるとされているが、ニュー・イングランドのフリッカ 「スカウト」 ではオーバー・サイズのD4を装着した。30~36フィート艇に適当とされる熱量だ。

スカウトのオーナーが選んだ装着場所は左舷コックピット・コーミングの中。







写真左がスターン側。丸い左の口から室内の空気を吸入、本体を右に通過する際、熱交換器のヒレに触れ、暖まった空気が本体右に付けられたホースから出ていく。

黒色の細いホースは燃料の軽油を燃やすための空気吸入用。その下の灰色の細いホースが燃料管(軽油はエンジン用の燃料タンクから供給)。燃焼室は完全密閉されており、排気ガスは黒い太いホースを通って艇外に排出されるので、室内の空気を汚さず、一酸化炭素中毒の心配がない。

燃費は一時間に4/100ガロン(1/100クォート)、つまり約10cc。暖かさと共にこの低燃費が人気の理由だが、ファンを動かすなどの直流電力が1AH(アンペア・アワー)必要という。

クォーター・バース入り口から見たところ。コーミング内部の空間をうまく利用している。

(尚、スカウトでは手動ビルジ・ポンプを右舷コックピット・ロッカーの中からこの左舷クォーター・バース中に移したので奥にそれが写っている。バース・クッションは外しているので下に覘き窓付き清水タンクの蓋が見える。)




暖まったエアーをキャビン内に運ぶホース。










この写真1枚だけではエアーの実際の放出口がどこにあるのか不明。前出の [ダルシ二ア(2枚目の写真)] ではコンパニオンウェイ下、ソール(床)のすぐ上、という理想的な位置から出てくる。尚、ダルシ二アでは本体はエンジン・ルームに装着。

これはスカウトのクォーター・バースに頭からもぐり込んでコーミング内を見上げたところ。

排気管はトランサム(写真下部)の孔に接合されている。










トランサム外観。

バックステイ・チェインプレイトの左に排気口が見える。

(外付けラダー周辺のパイプは 「モニター」 ブランドのウィンドヴェイン=自動操舵装置。スターン・アンカーもソーラー・パネルも見える。外洋・長期クルーズ志向艇だ。)






ギャリーとVバース間のバルクヘッドにあるサーモスタット。これで室温を一定温度に調整。

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[エスパー・サイト] の右側にある Video ⇒ How the air heater works をクリックするとエスパー・ヒーターの燃焼と暖房の仕組みが分かる。

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既にいくつか見たように(当サイト左上の白いサーチ欄に スカウト と入れて検索すると本日のログの下にスカウト関係の過去の記事が全てリストされる)、このフリッカのオーナーは艇のあちこちに手を入れている。明日は最近の様子を見てみよう。

(写真はいずれもPSC製434艇中366番目 Scout です。)
www.yachtworld.com キーワード欄にFlickaと入れてサーチ・ボタンをクリック。

2010年12月3日金曜日

ダート - 帆走

バミューダをセイルするダート。

今年6月にシングルハンドでバミューダを訪れたフリッカ 「レインジャー」 のチャールズ・ハニカットはダートのオーナー、ギリアン・アウターブリッジの歓待を受けたそうだ。












(チャールズは2010年5月31日ノース・カロライナ州サウスポートを出航、バミューダに7日で到着。南風10~18ノットのビーム・リーチ、南~南西からの波は波高3~5フィート、平均艇速4.7ノット、一日100マイル+をカバー。復路は9日間で、6月12日出航、21日帰着。 最後の二日間のみ西風のヘッド・ウィンド(真上り)で、雷雨に苦労したがそれまで安航だったと言う。来年はバハマ諸島クルーズを予定している。)

(写真はPSC製434艇中077番目 Dart です。)
フリッカ・ホームページにある、今売りに出ているフリッカのリスト

2010年12月2日木曜日

ダート

ダートはバミューダのフリッカだ。元々五大湖のひとつエリー湖の [エリー] に居たという。















1990年にバミューダの現オーナーが購入し、東海岸のメリーランド州アナポリスまでトレイラーに乗せられて移動。そこからフロリダ州マラソンまでオーナーがクルーズ、フロリダからバミューダまでは船で運ばれた。

オーナーは12年後(2002年)、帆走用のマストやブームを外し、代わりに短い木のマストを立てたユニークな長期運河クルーズに出発。まずアメリカまで船で運び、ニューヨークから船外機による機走クルーズを開始。ハドソン河を上り、[エリー運河] を通ってオンタリオ湖、さらにオンタリオ湖とオタワを結ぶ [ライデュー運河] やオンタリオ湖とヒューロン湖のジョージアン・ベイを結ぶ [トレント・セヴァーン運河] を通ってクルーズし、2005年に再びバミューダに船で運ばれて戻った。


帆走リグを外して短い木のマストにしたのは各運河の無数の橋を簡単にクリアーするためだ。この珍しい内陸部の船旅(女一人+犬一匹)は『フリッカ・フレンズ』 [2005年秋号(表紙、6-7頁)][2005年冬号(4-7頁)] に掲載され、もっと詳しい話が [Going About!] という本にもなって出版されている。

一番上の写真とこの写真は近影だ。

このような係留ではバウスプリット・プラットフォームから乗り降りするのだろう。

コックピット後方、緑色の蓋のカスタム・ロッカーには船外機用ガソリン・タンクではなく、プロパン・ボンベを収納。

ダートは1979年製。デッキ・モールドは旧型なのでコックピット・ドレイン(排水口)はちょうどカスタム・ロッカーを設置したコックピット後端にあり、水はトランサムを抜けて海上に排出される。このため万が一、空気より重いプロパンがコックピットに漏れた場合でもそのドレインを通って最短距離で艇外に排出されるので安全だ。

尚、容量11ガロンの特製ガソリン・タンクは右舷コックピット・シート下のロッカーに収まっている。きっとビルジ・ブロウアーを付けているのだろう。

旧型スライディング・ハッチの前方に付けた手摺り付きの特製シー・フッドにも注目され度。

(写真はいずれもPSC製434艇中077番目 Dart です。)
フリッカ・ホームページの歴代カバー写真

2010年12月1日水曜日

コックピットのないフリッカ - リストア進行中 14

11月21日撮影。一応雨が降っても大丈夫なようにはなっているが、活動が多岐にわたるオーナーは相変わらず多忙のようで、その後の進展はないようだ。

コックピットはおよそ形が付いたとして、リグはどうするのだろう。







マルコーニ・スループにするのか。ギャーフ・リグにするのか。今のジャンク・リグをキープするのか。

(写真はPSC製434艇中、番数不明、1980年製フリッカです。)
⇒ 進展状況は [ここでチェック]。そこで見られない場合 [こちらでチェック] (写真は未整理で種々混載。他艇の作業写真もあるのでフリッカと混同されないようご注意。)