2012年1月14日土曜日

バリーナ・アイル・マリーナのアレッサンドラ

サンフランシスコ湾東岸の [アラミダ島] 東北部に在るアラミダ・マリーナのフリッカをシリーズで観て来たが、このバリーナ・アイル・マリーナはアラミダ島反対側の南東部から橋を渡った小島バリーナ・アイルにある。

この艇はコックピットの [フル・インクロージャー] で有名なアレッサンドラ。

2005年にこのマリーナを訪ずれた時は一等手前のスリップに入っていたが、隣に引っ越している。










この並びは20フィート艇までの小型艇ドックだが、以前見られたCal20等が一艇も居なくなり、寂しそうな風情。



会うのは2006年6月エンジェル・アイランドで行われたフリッカ・ランデブー以来だ。






当時に比べるとサンブレラが随分退色している。

以前はマリーナ係留中、サイドやアフトも閉じていたが、今は開放されたままになっている。





帆走時はドジャーは残すにしても通常どこまで外すのだろう。

(写真はいずれもPSC製434艇中331番 Alessandra です。)
フリッカ・ホームページにある同艇の紹介

2012年1月13日金曜日

アンドレア・C トップサイド

保管中のマストは倒し、根元の方をバウに向けて置いてある。起倒はその方がやり易いだろう。

バウ・プルピット・レイルには [フォートレス] (又はその普及版のガーディアン)と思われるアンカーを固定。




フォートレスや [ダンフォース] はストックと呼ばれる横棒があるためバウスプリットのプラットフォームには格納できない。

しかし軽量なのでレイル・マウントが一般的。










左舷サイド・デッキ。

1985年製ながらポートはブロンズではなくプラスティック製。





これもオプションとして80年代末までは生き残っていたらしい。

イクステリア・ティークは全てベア・ウッドのまま。ティークならではのこの趣向を好む人も居る。





差し板の合わせ部分のカットが独特なのだろうか。陰影のため [ラップストレイク] のように重なって見える。

船外機はかなりの重量がスターンにかかるので艇の前後方向のトリムの調整が必要。重量機の場合、使用ポジションとリフト・アップ・ポジション間の昇降作業も辛い。また波を乗り越える際、一時的にプロペラが海中から出て空転し易い、ガソリンなので燃料消費量が多い、等の難点がある。






一方、取り外し可能なのでメンテ作業が簡単、後進を含め艇を取り回し易い、船内機に比べて安価、等が利点。また同馬力でも推進力が得られやすいようだ。

反対側からコックピットを覗いたところ。

コックピット後端に赤い燃料タンクが見える。





プライマリー・ウィンチはセルフ・テイリングではない。

この艇では少しでも初期コストを抑えるオプションを方々に採用している。新艇購入時にはリグやセイルの選択を始め、コンパス等の艤装品からギャリーのレンジに至るまでオーダー・シートに載っている全オプションを1個1個指定して行く作業が必要だった。シートに載っていない場合特別注文を付けることもできた。PSC製フリッカ全434艇。新艇のオーナー一人一人がそれぞれ、自分の経験、ボートの使い方、予算等に合わせ、オーダー・シートに向かい合って行ったのだ。

(尚、ティラーは自分の使い勝手から上下逆様にセットしてあるだけ。)

(写真はいずれもPSC製434艇中320番 Andrea C. です。)
USヤフー・フリッカ・グループ

2012年1月12日木曜日

アンドレア・C 船底

アラミダ島のアラミダ・マリーナには広大なヤードがあり、ボートの陸置きだけではなく巨大なRVやトレイラー・ハウスも保管できる。

ドック係留艇を一通り観終わった後、陸置きのフリッカを探して場内を車で走り回って見つけたこのフリッカはRVエリアの直ぐ隣りに置かれていた。トレイラーに乗せられオフ・シーズンを過ごしている。










左舷側船底にブリスターの跡らしきものが見える。









近寄ってみ見るとカキの殻を落とした跡だった。ブリスターのしぼんだ跡は全く見られない。





ローラーの跡から艇のローンチや回収はクレーンは使わず、トレイラーをランプに入れて行っていることが分かる。

右舷側はカキの付いた跡もなく、状態は極めて良好。









この艇は船外機仕様。ハルにプロペラ用アパチャーはあるが、シャフト用の孔は開いていない。





PSCでは1985年の或る時期からハルIDをトランサム右舷側に移動した。
(参考⇒1981年艇のハルID



移動と共に表記方式も少し変わった。PCS=パシフィック・シークラフト、20=フリッカ、次の3桁=ハル番号、までは同じ。G5はハルの完成年月で1985年7月を意味する。最後の2桁はこの艇のモデル年(1985年)で、デッキや内装、艤装も含めた完成年。

USヤフー・フリッカ・グループにはシャフトの孔を開けて船内機を載せる計画だというこの種の艇のオーナーが時折登場する。













船外機はホンダのBF100。4ストロークCDI、10馬力、ロング・シャフト。







フォアだけではなくアフトもカキの付いた跡は何故か左舷側だけだった。







ともあれ、1983年末新型デッキ・モールドになって以来、全てのPSC製フリッカは船内機仕様になったと思っていたが、この艇のおかげでそうではないことが判った。エンジンに限らず諸オプションは90年代初頭、PSCのオーナーが変わる頃までは色々開かれていたらしい。

(写真はいずれもPSC製434艇中320番 Andrea C. です。)
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2012年1月11日水曜日

アラミダのフリッカという名のフリッカ ギャリー

1月2日~5日、4日間に渡って取り上げたフリッカという名のフリッカ。

この艇は現在でもトランサムにフリッカと艇名が入っているものの、名前はザイーダに変えたそうだ。売りに出されている。

改装したギャリー。

カウンタートップを張り替え、プロパン・レンジを換装、アイスボックスも電気冷蔵庫となった。



ここまでやったのに売りに出しているのはオーナーが歳を取り過ぎたためという。

(写真はいずれもPSC製434艇中297番 Zaida、aka Flicka です。)
フリッカ・ホームページにある同艇の紹介

2012年1月10日火曜日

アラミダのPSCフリッカ125番艇 細部

今日は艤装の細部について。

2年半前書いたようにスターン・プルピット・レイルはPSC初期艇特有の真ん中だけが2段になっているタイプ。




下段はメインシート・トラヴェラーになっている。バックステイは逆Y字型スプリット・ステイ。

ブーム・サイドに見えるのはメインスルのクルー・クリングルに掛けて引くリーフィング・ラインと思われる。




この設定なら1本でファースト、セカンド、サード、どのリーフでも使えそうだ。

この艇はキャビントップにハルヤード・ウィンチが無い。マストに在るはずと探したが、どこにも見当たらない。




マスト・ステップのタバーナクルにはブロック・オーガナイザーとして使う孔開きフィンが付いていないのでブームヴァング用にU字型金具、ベイルが装着されている。











シート・ブロックはこの艇でも [先日観た] シバ同様、シート・トラックではなく直接サイド・デッキに。





ついでにポートライトについて。

両舷とも最後部のポートは締め切り型だが、前の2個は開閉式で、雨やスプラッシの水が溜まらないようになったデザイン。



このドレインが無い場合、毛細管現象を利用して排水するため毛糸を1~2本テープで止めて垂らしているオーナーもいる。

(写真はいずれもPSC製434艇中125番、無名のフリッカです。)
フリッカ・ホームページで今売りに出されているフリッカ一覧

2012年1月9日月曜日

アラミダのPSCフリッカ125番艇

12月末アラミダを2年半振りに訪問してフリッカの数が増えていた事や、フリッカという名のフリッカが帆走を楽しむまでにメンテが進んだ事を目にしたのは良かったが、中には以前より状態が悪くなっている艇もあったのは残念だった。

この125番艇は再会を楽しみにしていたのだが、[前回見た時] より悪化している艇のひとつ。






前回ピカピカだった差し板3枚の姿はない。

一等上は同じ板のニスが剥がれてベアーのまま放置してある印象。しかし2年半でここまで剥がれるのか疑問。下の2枚は外して替わりに間に合わせの合板を入れてある様子。一体何があったのだろう。







この艇は1980年製。PSCがデッキ・モールドを新型に換えたのは1983年秋頃なのでこの艇のコックピットは旧型。



エンジンは1GM。ダッシボードはタコメーターの無い珍しいタイプ。

旧型コックピット艇ではコックピット排水のスルーハルはトランサムに在るが、その数は1個、2個、二つのタイプがあるようだ。これは見ての通り2個のタイプ。

ブロンズ製のスルーハルはエンジン排気排水用。ビルジ兼ホールディング・タンク用スルーハルはハル右舷下に在る。

ラダーは前回見た時と同様外されたまま。



(写真はいずれもPSC製434艇中125番、無名のフリッカです。)
フリッカ・パッセージのページ フリッカ各艇の長距離航行記録を載せるページ。(全6ページ、各ページ一番下の Next>> をクリック。)

2012年1月8日日曜日

アラミダのシバ 細部

この艇は1981年製であることが分かった。

1984~85年頃までのPSC製フリッカのハルIDはトランサム左舷下部に刻印されている。





PCS201750681とある。PCSはコースト・ガードが指定したパシフィック・シークラフトの正式な略称(艇のオーナーたちは通常PSCと略している)。20はフリッカ、175はハル番号。1981年6月にハルが完成したことが分かる(デッキや内装、艤装など全ての完成年月ではない)。

***

ファクトリー出荷時から今日まで30年超、初代オーナーから現オーナーまで何人のセイラーの手を経て来たか分からないが、この艇のユニークな箇所を見て行こう。

1981年製でも航海灯がステム上部ではなくレイルに付いている。

バウスプリットの上にスルーボルトで留めた長いSS板が見える。無論デッキに重なる部分は他のフリッカ同様バウスプリットをデッキに留めるために使用しているが、デッキの先に突き出た部分は下側にもSS板を当て、バウスプリットをサンドウィッチしている。補強の意味らしい。



プラットフォーム左舷先端にはブロックがある。これはジブを降ろす作業をコックピットから出来るようにジブ(ヘッスル)のヘッドの孔に付けたライン(ダウシング・ライン)のターニング・ブロックかも知れない。

この目的のブロックはラインをフォアステイに平行に引いてセイルを降ろし易くするため通常 [ステイの足元に付ける]

マスト・ステップ(タバーナクル)のトップ部分にU字型金具(ベイル)が見える。タバーナクルとマストを水平に貫通して留めているスルーボルトとナットを利用して装着している。ベイルはソフト・タイプのブームヴァングをセットするのに便利。ベイルが無い場合タバーナクルのアフトのフィンに在る孔を利用する。






この艇にシート・トラックは無い。通常それが設置されている場所にはブロックが1個。






セイル・シェイプ調整のためブロックの付いたカーをトラック上で前後に移動させることは出来ないが、このように最初からワーキング・ジブ用に最適化した場所にブロックを固定しておけば不都合は無いはず。

又、この艇のショア・パワー(陸電)用インレットはコーミングの上。アフト・スタンションには側脚が付いている(PSCフリッカでは通常側脚の無いタイプがスタンダード)。コーミングの側壁にある孔の用途は不詳。

ジェノア、スピン、ドリフター等大型ヘッスル用のブロックもトラックではなくスターン・プルピット・レイルに固定。




パワー・インレットの前後に装着したSS製フィティング。ドジャーやビマイニ用と思われる。






(写真はいずれもPSC製434艇中175番 Shiva です。)
フリッカ・ホームページのフリッカ・データベース