2008年11月8日土曜日

船外機

初期(1977-1983)のPSC製フリッカの中には船外機仕様のものも多い。














この写真と絵は最初から船外機仕様として造られたフリッカで、キールにプロペラ用の切り込み(アパチャー)がない。

ちなみにこちらは1GM10搭載の船内機仕様。










船外機はフルキール艇のフリッカでも後進時の取り回しが楽、安価、メンテが簡単、コックピット下の船内機エンジン・ルームが広い収納として使える、などの長所がありアメリカでは船外機ファンのオーナーたちも多い。

ホンダ9.9、ヤマハ9.9、同T8などのロングシャフトが使われているが、最近では軽量のトーハツ6も好評のようだ。



これら船外機の推進力は1GM10の船内機仕様に優るようで、簡単にハル・スピード(5.7+ノット)に達するという。このパワーは駆動系出力ロスの少なさから来るのか。三枚羽根の効果か。

短所は燃費。また安全な軽油とちがいガソリンは爆発の危険性が高い、船外機はスターンに付けるので艇のトリム(バランス)に影響する、波を超えた時プロペラが海上で空転することがある、使用前後の上げ下げが面倒、スターンに船外機が付いているのは見た目が悪い、などの声もある。

船外機仕様フリッカのコックピット、2例。

両舷のコックピット・シート間にロッカーがある。通常ここに燃料タンクを入れるようだが実際はどうだろう。尚、下の艇はコックピット・ソールが改良された新型。新型は1983年末~84年初頭頃に出たがこの件については明日。











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船外機の燃費については80%出力でガソリンを1時間あたり4リットル(約4クォーツ=1ガロン)消費という記録がある。また艇速5ノットでエコノミー走行すれば時間1.3リットル(1.3クォーツ)、トーハツ6なら1リットル(1クォート)という話もある。一方、船内機1GM10の軽油消費量は2500rpmの経済走行で時間0.65リットル(0.65クォート)ほど。

(絵はPSCのフリッカ広告の絵。写真は上からPSC製434艇中053番目 Lil' Toot、433番目 Ballo Liscio、2枚続きで番数艇名未確認の1978年製、および番数未確認 Jesse Ann です。)
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2008年11月7日金曜日

スターン・ベンチ

フリッカにファクトリー製スターン・シートはない。自作のスターン・シートもこの艇を目にするまでなかった。

2段式プルピット・レイルでないと出来ない芸当だ。1980年代半ば以前の1段式では無理。






中大型艇ではプルピットの各コーナーにひとつづつ付いているものが多いが、フリッカのスターンの船幅を見てベンチ式で行こう、ということになったのだろう。

だがスペースが貴重なフリッカでは邪魔になる時はないかと心配。少なくとも風の強いSF湾でセイルする当方のフリッカには(プルピットが2段式だったとしても)付けるのは控えたい。




艇がヒールしない機走時、また弱風下の帆走・機帆走時にはここに座ると眺めも良く楽しいのだろう。マリーナでラウンジ用としてリラックスする時も良いかもしれない。

(写真はいずれもPSC製434艇中432番目の艇名未確認艇です。)
[#432] 瀬戸内にいた時の写真(リンク先で中古艇情報のページ参照)。今は [神奈川に移動済み]

2008年11月6日木曜日

ブーム・ギャローズ

ブーム・ギャローズは主に係留時にブームを置く台として使われる。ソールティな長期クルージング艇に良く見かける。大型艇ではスターンではなくコンパニオンウェイ・ハッチの上に装着したものもある。

この艇はギャーフ・リグ。マストは短かいがブームは長い。実用のブーム・ギャローズだ。マルコーニ・リグのフリッカはブームが短く、この位置に付けたブーム・ギャローズには届かない。





ブーム・ギャローズがあればトッピング・リフトは無用。帆走中もリーフ時にブームをギャローズのくぼみに置いて作業できるなど便利。くぼみは通常センターに一つ、各舷寄りにもひとつづつ付いているが、この艇はセンターのみ。小型艇ではそれで充分ということか。









ギャーフ・リグのブームは長いのでバンプキンがない限り固定式バックステイは使えない。ラニング・バックステイを使う。タックする時、風上側に留めたステイをはずし、カム・アバウトしてから新しい風上側につける。

[モウジョウのブーム・ギャローズ] はソーラー・パネルと風力発電機を設置するためのタワーの構成部品だ。ギャローズ本来のブーム台としての働きはないが、この形にしたのは洒落ている。

[アフリカン・ムーンのブーム・ギャローズ] は実用(下から2段目参照)。ブームを置くくぼみも3つある。ノー'スター製フリッカはマルコーニ・リグでもマストもブームもPSC製より2-3フィート長い艇が多いようだ。

(写真はいずれもPSC製434艇中163番目 Synthesis II です。)
フリッカ・ホームページ

2008年11月5日水曜日

バンプキン

バンプキンとは船尾から突き出している造作物。(Boomkin と書くがブームキンではなくバンプキン。もちろんカボチャのパンプキンとは別物。)

その役割はバックステイをハルの外に移動しブームを長くセイル面積を多くすること。





やはりセイル面積を増やすために船首からバウスプリットが伸びている艇ではバランスも取れる。昔のギャーフ・リグの船艇に良く見られた。

この艇 『ピカチュウ』 のバックステイはスプリット・ステイと呼ばれる逆Y字型で、スターンに取ったまま。従ってバックステイのハル外への移動が目的ではない。後ろに見えるウィンドヴェインの装着用として付けたようだ。















ウィンドヴェインは通常ステンレス・パイプで直接スターンに取り付けるが、この艇ではバンプキンにおんぶされている。

バンプキン本体はスルー・ボルト2本x2でスターン・レイルに固定、先端近くからは専用バックステイがマストトップへ、同じく下方にはトランサム両舷へ2本のステイが伸びている。 









アフト・キャビン付きノー’スター製フリッカ [アフリカン・ムーン] では艇のデュアル・バックステイがバンプキンに装着され、バンプキンが本来の役割も担っている。



『アフリカン・ムーン』 のウィンドヴェインは [ケイプ・ホーン] 製。バンプキンにはプルピット・レイルまで付いている。









(写真上3枚はPSC製434艇中169番目 Pikachu、下2枚はNor'star製20艇中18番目 African Moon です。)
Pikachu
African Moon (a.k.a. Dolphin Spirit, Sea Shanty)

2008年11月3日月曜日

風力発電機


ウィンド・ジェネレーターはソーラー・パネル(太陽発電パネル)と並んで長期クルーザーたちに人気がある。これがあれば太陽の沈んだ後も、風さえあればバッテリーは充電され続ける。エンジンやオルタネーター(ディーゼル発電機)を回して定期充電の必要もない。

ビュンビュンと特有の音が出るのが玉にキズだろうか。



フリッカには、20フィート艇にこんなものが、と思うものが良く付けられている。この艇はオーナー(女性)が世界一周用に艤装した。健康上の理由で計画中止、艇は別の女性の手に渡ったが、外洋クルーズに備えこの艇に装着されたものは数多い。スターンにモニター・ウィンドヴェインも見える。


こちらはジェネレーターの後ろの特製タワーにソーラー・パネルも装着している。この艇は船外機仕様なので、これだけ付加すればスターンが異常に重くなり艇のトリム(バランス)に影響しないかと心配になるがどうだろう。






(写真上2枚はPSC製434艇中最後の Pearl a.k.a. Flight of Years、下は209番目 Mojo です。)
Pearl, aka Flight of Years
フリッカ Kittiwake のオーナー、ハルのサイトにある Mojo の写真集

2008年11月2日日曜日

風が落ちてシーズンの終わり (Videos)




去る10月16日。いつも自宅ガレージに仕舞い込んである140%ジェノアを持ち出して出航。2ノットの風。艇速1ノット。シーズンの終わり。風波がないので1マイル離れた海岸線のフリーウェイを走る車の音にさらされた。
 
 


こちらは9月13日、風があった頃の同じ海域。今年は2月から10月にかけ約8ヶ月半、程良く吹いてくれた。

(ビデオはいずれもPSC製434艇中295番目 Serenity です。)
Flicka20_Japan

2008年11月1日土曜日

レイダー・ドームのマウント(装着)

フリッカではレイダー・マウントに次の三つが使われている。

1.マスト・マウント。

この艇はスプレッダーの下だが、上に付ける人もいる。マスト・マウントはフォア・セイル(ジェノア、ステイスル)のリーチが擦れるのが難点。



昨日の一番上の写真もこの艇 『モウジョウ』。その次はスプレッダーより高い位置にマウントした1991年製フリッカ ⇒[マスト・マウント2点]

殆どのレイダーは水平線から25度の仰角で電波を発するらしい。艇がヒールするとかなりのブラインド・エリアができる。例えばジンボルのついていないレイダーの場合10度のヒールで帆走ると風上側は35度の仰角となり、水平線から35度以内はカバーされない。このためたとえジンボルがついていたとしてもマウント位置は海面から約10フィートを超えない高さが良いとされる。

2.船尾につけるタワー(ポール)・マウント。

このマウント法については#386 [ホットスパー]参照。マウント位置の高さに注目。海面から10フィートを超えず、かつ、コックピットに立った人間の頭よりも高く。(尚、LCDディスプレイの位置は、ギャリー、クォーター・バース、コックピット、いずれからも見える所を選んだ。ディスプレイはクルッとコックピットに向けられる。)

3.バックステイ・マウント。

#284 『ギャミン』 のオーナーはこの方法で付けている。ジンボルつき。デュアル・バックステイのフリッカだとステイ1本をレイダー・マウントに、もう1本をSSB用のアンテナとして使用できるので便利らしい。 『ギャミン』 の写真は[フリッカ・フレンズ2005年夏号] 表紙+7ページを参照。これもマウント位置の高さに注目。

(写真上はPSC製434艇中209番目 Mojo です。)
Mojo